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ナレッジベースとは?導入するメリット・デメリット、構築におすすめのツールを紹介

ナレッジベースは、企業に蓄積された知識やノウハウなどを集約し、一括で管理・共有できるシステムで、他部署との連携やコミュニケーションに課題がある企業や、業務の引き継ぎ・人材育成をスムーズに進められない企業に特におすすめです。

ナレッジベースは社内で使用している既存のツールなどを用いて構築できるものの、構築に利用するツールを選ぶ際は、あらかじめ自社での利用目的に適したツールはどれか、従業員が利用しやすいツールはどれか、などを検討したうえで決めることが大切です。 この記事では、ナレッジベースの活用例や導入するメリット・デメリット、構築におすすめのツールなどをご紹介します。

目次

ナレッジベース(知識ベース)とは

ナレッジベースとは、企業での業務に関する知識(ナレッジ)をまとめて管理・共有できるデータベースを指し、知識ベースと呼ばれることもあります。主に社内向けに利用され、企業にとって重要な知識やノウハウ、経験などが蓄積されている知的資産ともいえるでしょう。

ナレッジベースを社内で共有し、各従業員が新たに得た知識をナレッジベースに追加したり、業務の進め方や対応方法などに悩んだ従業員がナレッジベースから情報を検索・活用したりすることで、社内における業務効率化や生産性の向上、従業員のスキルアップなどが期待できます。また、業務に関する知識やノウハウといった情報を誰でも閲覧できるかたちにすることで、属人化の防止にもつながるでしょう。

このようなナレッジベースは、従来ではドキュメントなどのファイルを共有サーバーにアップロードするなどの方法で構築されていましたが、「見づらい」「求める情報を検索しづらい」といった課題がありました。そのため、最近では専用のナレッジベース構築ツールを活用する企業も見られます。

ナレッジベースとナレッジマネジメントの違い

ナレッジベースと似た言葉に、ナレッジマネジメントがあります。ナレッジマネジメントは、従業員それぞれが持つ知識やノウハウ、経験などを企業で管理し、社内で共有できる仕組みを作る経営手法を指し、ナレッジベースは、ナレッジマネジメントを行うために用いられるデータベースを指します。

そのため、ナレッジベースはナレッジマネジメントを行う過程で用いられるツールの一つとして認識しておくとよいでしょう。

ナレッジベースが重要とされる理由

上記でご紹介したように、ナレッジベースは社内で業務に関する知識やノウハウ、体験などを管理・共有するうえで重要な役割を果たします。しかし、「豊富な知識を持つ従業員から直接教わったほうが早いのではないか」「必要な情報を探すのがかえって手間になるのではないか」など、ナレッジベースの必要性をあまり感じない方もいるのではないでしょうか。

ここからは、企業においてナレッジベースが重要とされる理由についてご紹介します。

多様な働き方によってナレッジの共有が難しくなったから

最近では、リモートワークやフレックスタイム制、副業の許可などさまざまな働き方を認めている企業もあります。

従来は、決まった時間にすべての従業員が社内に集まり業務をする働き方が一般的だったため、業務でわからないことがあった場合もすぐに質問や相談がしやすい環境でしたが、多様な働き方を取り入れている企業の場合は、従業員同士で顔を合わせる機会が減ってしまい質問・相談を気軽にできず、ナレッジの共有がしづらいケースがあります。

ナレッジベースに社内のナレッジをすべて蓄積しておくことで、従業員が時間や場所を問わず必要な情報を探せるようになるため、多様な働き方の中でもスムーズに業務を進められます。

人材の流動性が高まりナレッジの蓄積が難しくなったから

最近では、中途採用人材の2年以内の離職率は30%以上ともいわれており、これまでと比べて転職へのハードルも下がっていることから、人材の流動性が高まっています。

人材が流出しやすい環境の中では、日常的にナレッジマネジメントを行い、社内のナレッジを管理・共有しなければ、業務中に従業員が得た知識やノウハウ、経験などをほかの従業員に共有できる機会を逃してしまうでしょう。また、離職した従業員のみが業務の進め方などのナレッジを持っているという属人化が起きていた場合、後任の担当者がどのように業務を進めたらよいかわからなくなる恐れもあります。

人材の流動性が高まった現在では、ナレッジベースを活用して小まめにナレッジの管理・共有ができる環境を整えておくことが大切です。

扱う情報の数や種類が増えているから

最近ではIT技術が進化し、企業でのDXも進んでいることから、業務で扱うソフトウェアの使い方やトラブル時の対処法、効率的な作業方法など、さまざまな情報をインプットしたうえで業務に臨む必要があります。扱う情報の数や種類が増えることによる業務効率の低下を防ぐためには、情報の管理や共有を円滑に行えるナレッジベースが重要です。

ナレッジベースの中には、IT技術の進化により、ツールの操作に不慣れな従業員でも簡単にナレッジを蓄積し、管理・共有できるものもあるため、誰でも気軽に情報を蓄積したり、検索したりできる環境が整っています。

後述の「ナレッジベースとして利用されるツールの例」では、ナレッジベースとして活用されている主なツールなどをご紹介しているため、ぜひ自社に合ったツールをご検討ください。

業務効率化が求められているから

2019年より、厚生労働省の働き方改革によって、時間外労働に月45時間・年間360時間の上限が設けられ、違反した企業には罰則が科されます。

このように、従業員の稼働時間がより厳しく管理されるようになっただけでなく、従業員のワークライフバランスを維持するためにも、限られた時間内でより生産性を高められるよう、業務効率化を図る必要があります。

例えば、従業員が業務中にわからない部分があり、自身でさまざまな資料を見て調べたり、ほかの従業員に聞いて回ったりしていた場合は手が止まってしまうため、業務効率が落ちる恐れがあります。このようなときに社内でナレッジベースがあることで、「わからない部分があればナレッジベースから検索して解決できる」という環境が整うため、効率よく業務をこなせるようになるでしょう。

ナレッジベースの活用例

ここまで、ナレッジベースが企業で重要とされる理由をご紹介しました。ナレッジベースを整備しておくと、社内でのFAQシステムや自動音声応答装置など、さまざまな用途に活用できます。ここからは、ナレッジベースの主な活用例をご紹介します。

社内向けFAQシステム・社内Wiki

社内向けFAQシステムでは、従業員から寄せられた質問内容を整理・分析し、適切な回答を提示するシステムです。ナレッジベースに従業員がよく質問・相談する内容を蓄積し、FAQシステムとして活用することで、ヘルプデスクなどが何度も従業員から同じ質問をされ、対応する必要がなくなるため、各従業員が効率よく業務を進められるでしょう。

このような社内向けのFAQシステムは、社内Wikiとして利用されることもあります。社内Wikiでは、各種マニュアルや会議の議事録、就業規則、福利厚生、研修資料などの社内に関する情報を一元管理し、従業員が自由に情報を検索可能です。

社内Wikiを充実させることでさまざまな知識やノウハウを集約できるため、社内の情報を検索するのにかかる手間を減らせます。

自動音声応答装置

ナレッジベースに顧客からのよくある質問や相談内容などを蓄積しておくことで、FAQシステム以外にも、自動音声応答装置も構築できます。自動音声応答装置は、問い合わせ窓口に顧客が電話することで音声案内が始まり、顧客の番号操作などによって該当する回答を自動音声で届けます。

自動音声応答装置で対応することで、直接オペレーターにつなぐ頻度を減らせるようになるため、オペレーターの負担を軽減できるだけでなく、顧客側での「なかなか電話につながらず相談ができない」といった不満が募ることや、業務効率の低下なども防げるでしょう。

エンタープライズサーチ(企業内検索システム)

エンタープライズサーチは、社内に保管されたデジタルデータを、社内サーバーやクラウドストレージといった保管場所を気にせず横断的に検索できるナレッジベースを活用したシステムのことで、企業内検索システムと呼ばれる場合もあります。

社内のさまざまな場所に大量のデータを蓄積している場合は、従業員が必要な情報を検索する際にあらゆる保管場所を探さなければならず、時間や手間がかかります。エンタープライズサーチを用いることで、従業員はキーワード検索からすぐに求める資料を検索できたり、保管されているデータが誰によって登録されたものなのか、最後に更新したのは誰かなども確認できたりするため、社内での情報検索や管理、共有に役立つでしょう。

マニュアル管理ツール

ナレッジベースはマニュアル管理ツールにも活用できます。新入社員の入社時や、業務でわからないことがあった際はマニュアルを見ながら進める必要がありますが、マニュアルがさまざまな場所に点在していたり、検索がしづらかったりする場合、スムーズに業務が行えません。

マニュアル管理ツールで各種マニュアルを1カ所にまとめ、簡単に検索できるようにすることで、欲しい情報にすぐたどり着けるようになるため、社内での業務効率化や従業員のスキルアップ、業務品質の向上などが期待できるでしょう。

ナレッジベースを活用したITヘルプデスクツールを導入し、ITヘルプデスク部門の業務負担の軽減や業務効率化に成功した事例についてご紹介している記事もあるため、ぜひあわせてご確認ください。

ナレッジベースを導入するメリット

ここまで、ナレッジベースを企業で利用する際の主な活用例をご紹介しました。ナレッジベースを導入することで、業務効率化や業務品質の向上といったメリットが期待でき、企業全体での生産性や信頼度の向上にもつながるでしょう。ここからは、ナレッジベースを企業で導入するメリットをご紹介します。

業務効率化や属人化の防止

ナレッジベースを導入することによって、社内のすべての従業員が、社内に蓄積された知識やノウハウなどに簡単にアクセスできるようになります。このように1カ所にナレッジを集約させておくことで、従業員が情報を検索したり、ほかの従業員に問い合わせたりする時間を減らせるため、業務効率化につながるでしょう。

また、業務に関する専門的な知識などを1人の従業員のみが把握している場合、属人化が進むため、万が一その従業員が退職してしまう際に、後任の担当者へスムーズに引き継ぎできない恐れがあります。専門的な知識などもナレッジベースに蓄積させておくことで、引き継ぎ作業を手間なく進められるため、属人化の防止にも役立ちます。

業務品質の向上

業務に関する知識やノウハウがナレッジベースに集約されていることで、あらゆる従業員がナレッジを有効活用できるため、業務効率だけでなく、業務品質も高められます。特定の従業員にナレッジが偏ることも防げるため、社内全体で業務のクオリティを底上げできる点も大きなメリットです。

また、ナレッジベースに過去に届いた問い合わせ内容や、顧客への対応方法などを蓄積しておくことで、新人の担当者でも問い合わせやクレームなどに対して素早く適切な対応ができるようになり、顧客対応の質を向上できるでしょう。

ナレッジ共有の効率化

ナレッジベースを用意していない場合、業務で得た知識やノウハウ、経験などのナレッジをほかの従業員に共有する際には、研修会を開いたり、従業員からの質問・相談に答えたりするなどの方法があげられ、共有するナレッジの量や従業員数によっては共有に手間がかかる可能性があります。

ナレッジベースにこのようなナレッジをすべて集約させることで、全従業員がナレッジベースから情報を素早く入手できるようになるため、ナレッジや最新情報の共有を大幅に効率化できるでしょう。

ナレッジベースを企業で導入するデメリット・注意点

ここまで、ナレッジベースを企業で導入するメリットをご紹介しました。業務効率化や業務品質の向上など企業の事業を運営させるうえでさまざまなメリットがある一方で、ナレッジベースそのものの操作性や検索性が優れていなければ従業員が有効活用できないなどデメリットもあります。ナレッジベースを企業で導入するデメリットは、次のとおりです。

操作がしづらければ従業員から利用してもらえない

ナレッジベースの導入後は、すでに社内で蓄積している情報を移行させて終わるのではなく、日々更新させる必要があるため、新しいナレッジを登録したり、既存の情報を更新したりする際に手軽に行えるかが重要です。ナレッジの登録時に複雑な工程を経て作業する必要があったり、作業工程が難しかったりすると、従業員が操作に慣れず、ナレッジベースを利用しなくなってしまう恐れがあります。

あらゆる従業員がナレッジの登録を簡単に行えるよう、登録用のテンプレートの用意や、さまざまなファイル形式でのアップロード対応といった工夫が必要です。

また、パソコン・スマートフォン・タブレットなどさまざまなデバイスからの登録を可能にすることで、従業員が外出先からでも素早くナレッジを登録できるため、登録漏れを防げるでしょう。

検索性を高める必要がある

ナレッジベースでは、従業員が求める情報を簡単にかつ素早く検索できる必要があり、情報の検索がしづらい仕様である場合、従業員から活用してもらえない可能性があります。

ナレッジベースの検索性を高めるためには、情報をカテゴリ別に分類したり、タグを設定したりすることで、検索時の絞り込みがしやすくなります。また、ファイルのタイトルには内容に関連するキーワードを含めておくなど工夫することが大切です。

ほかにも、ナレッジベース上にどのようなカテゴリや情報があるのかが一目でわかるよう目次を設置したり、よく検索・閲覧されるページをピックアップして表示したりする方法でも検索性を高められるでしょう。

社内への周知・浸透が難しいことがある

操作性や検索性に優れていたとしても、社内への浸透ができていなければ、ナレッジベースを活用できません。また、導入したナレッジベースにどのような強みがあるのか、既存のシステムと比べて何が優れているのかなど、ナレッジベースを利用するメリットが従業員に伝わらなければ、利用してもらえる機会も増えないでしょう。

ナレッジベースを導入する際は、従業員に以下のような情報を周知し、ナレッジベースを利用するメリットが十分に伝わるよう働きかけることが大切です。

  • ナレッジベースがどのようなものなのか
  • 活用することでどのようなメリットがあるか
  • これまで利用していたシステムと比べてどこが優れているのか
  • 活用することでどのような課題が解決するか
  • ビジネスでどのように活用できるか
  • 基本的な使い方や使用時の注意点・ルール

ナレッジベースを活用すべき企業の特徴

ここまで、ナレッジベースを導入するメリットやデメリットをご紹介しました。上記のようにナレッジベースの導入にはメリットだけでなく、操作性や検索性を高める工夫が必要な点や、社内への周知・浸透が難しい点などデメリットもあるため、「どのような企業が導入するのがよいのか」「自社には導入する必要がないのではないか」と気になる方もいるのではないでしょうか。

ここからは、ナレッジベースを導入し、活用すべき企業の特徴をご紹介します。以下でご紹介する内容に当てはまる企業だった場合は、ぜひ導入をご検討ください。

人材育成や引き継ぎに課題がある

「ナレッジベースが重要とされる理由」でも触れたように、最近では人材の流動性が高まっており、短期間で退職する従業員も少なくありません。従業員が退職や休職、異動などで担当者が変わる際は引き継ぎが必要ですが、ナレッジが社内で共有できるようデータとして残されておらず、個人でナレッジを保有している場合は、すべての知識やノウハウを後任の担当者へ引き継ぐことは難しいでしょう。

また、新卒や中途採用で新人の従業員が加わった際も、社内で決まった業務のやり方や業務を行ううえでのポイントなどがマニュアルやナレッジとして残されていなければ、業務の適切な進め方がわからなかったり、転職前の企業でのやり方で業務を進めてしまったりすることで、トラブルにつながる恐れもあります。

ナレッジベースを活用し、業務の進め方や業務に役立つ知識やノウハウ、過去の事例などを蓄積することで、引き継ぎ時も漏れなくスムーズに情報を渡せるだけでなく、人材育成の際もわかりやすくナレッジを共有できるため、担当者ごとの業務品質の差を防ぎつつ、担当者がつまずくことなく業務を進められるでしょう。

部署同士でのコミュニケーションや連携に課題がある

規模の大きな企業の場合、部署間でのコミュニケーションがしづらかったり、各部署での業務の進行状況やスケジュールなどが確認しづらく、うまく連携が取れなかったりすることがあります。このように部署間でのコミュニケーションや連携に問題がある場合、部署をまたいだプロジェクト時に、連携ミスから業務の遅延やトラブルが生じる恐れがあります。

ナレッジベースでは業務マニュアルや事例だけでなく、各部署の業務の進捗状況や現在取り組んでいるプロジェクト、スケジュールなども登録し、他部署の従業員にも共有できるため、他部署の状況を確認する際に便利です。部署間でコミュニケーションを取る機会がない場合や、連携がうまくいかない場合は、ナレッジベースを導入することで、社内の状況を把握しやすくなるでしょう。

また、日報や社内報なども発信することで、それぞれの従業員が今何をしているのか、何を思っているのかなども可視化でき、コミュニケーションを取ったり、遅れが出ている従業員のサポートをしたりするきっかけにもしやすいため、このような機能を搭載するのもおすすめです。

ナレッジベースとして利用できるツールの例

ここまで、ナレッジベースを活用すべき企業の特徴をご紹介しました。ナレッジベースを実際に構築して導入する際は、現在社内で使用している既存のシステムを利用したり、ナレッジベースの構築に適した機能がそろっているナレッジマネジメントツールを利用したりするのがおすすめです。それぞれのシステムについて詳しくは、次のとおりです。

データベース

データベースは、社内に蓄積された情報を従業員が検索して活用できるシステムで、蓄積されたデータの抽出だけでなく、組み合わせたり、分析したりするといった活用も可能です。

使い方次第でさまざまな目的に活用できるため、現在社内でデータベースを利用している場合は、ナレッジベースとしても利用することで、さらに活用の幅を広げられるだけでなく、データベース以上に情報の集約や共有に役立てられるでしょう。

ヘルプデスクツール

ヘルプデスクツールは、社内に蓄積されている情報をもとに、顧客や社内での問い合わせで受けた内容やクレームへの対応方法を検索・閲覧できるようにしたツールです。蓄積されたナレッジから自動的にFAQを作成し、よくある質問として活用できるものもあるため、特にヘルプデスク業務を行う際に役立つでしょう。

ほかにも、ヘルプデスクツールでは、社内での業務に関する知識やノウハウをまとめたもの以外にも、顧客からの問い合わせ・クレーム内容をデータ化して蓄積できるカスタマーサポートに特化したものもあるため、顧客対応の多い企業におすすめです。なお、ヘルプデスクのデータを活用し、従業員や顧客への対応を行う際に、チャットボットとして自動対応させるといった活用方法もあります。

当社のヘルプデスク・問い合わせ管理ツールである「Freshdesk」では、メールや電話、問い合わせフォームなどさまざまなチャネルからの問い合わせ受付機能や、過去の問い合わせ検索機能を活用し、顧客からの問い合わせ内容を一元管理しながら、素早く問い合わせ内容を確認できます。また、対応内容をテンプレート化することも可能なため、迅速な顧客対応が行えるでしょう。

多機能なうえに使いやすさを強みとしたFreshdeskは、50,000社以上の企業で導入されており、2022年には、世界的なITレビューサイトであるG2 Crowdにおいてベストソフトウェア賞を受賞しています。

グループウェア

グループウェアは、従業員個人や部署ごとのスケジュール管理やタスク管理、各種申請手続き、ファイル送信などさまざまな作業が行えるツールです。メッセージやチャットでのやりとり、掲示板のような使い方も可能なため、コミュニケーションの活性化にも役立つでしょう。

グループウェアをナレッジベースとして活用することで、ナレッジの蓄積以外にもチャットでの連絡や各種申請といった作業もすべて同じツール上で行えるようになるため、社内で使用するシステムの数を最小限に抑えられます。さまざまなシステム同士を連携させたり、従業員が用途に合わせてシステムを使い分けたりする手間を軽減できるため、利便性の向上が期待できます。

文書管理システム

文書管理システムは、営業資料やマニュアル、就業規則、請求書などの文書をすべてデータ化し、一括で管理できるシステムです。紙の書類を使用している場合、書類の保管場所がわからなくなったり、外出先で書類を閲覧できなかったりするだけでなく、書類の紛失によるセキュリティリスクも懸念されます。

文書管理システムをナレッジベースとして活用することで、必要なマニュアルをはじめとした書類を探す手間が省けるため、業務効率化につながります。また、書類がすべてデータ化され、システム上からいつでも確認できることから、リモートワークなどの柔軟な働き方を取り入れている企業においても役立つでしょう。なお、書類がデータ化されてシステム上で管理されているため、書類を紛失することによる情報漏えいのリスクも抑えられます。

データマイニングツール

データマイニングツールは、蓄積されたデータをAIや統計学を用いて分析し、施策の改善や商品の改良、経営戦略の策定など事業のさまざまな用途に活用できるツールです。データマイニングツールをナレッジベースとして活用することで、整理されていない文書や画像などのデータをツールで素早く整理・分析を行えるため、データの中から新たな知識やノウハウを得るのに役立つでしょう。

規模の大きな企業や、多数のプロジェクトを行っている企業においては、蓄積されるデータが多い分すべてを有効活用したり、分析したりするのが難しいでしょう。データマイニングツールを用いてナレッジベースを構築することによって、業務に役立つ知識やノウハウを得られるだけでなく、蓄積された情報から新たなアイデアを得られる可能性もあります。

社内SNS

社内SNSは、インターネット上でチャットやメッセージを通して従業員同士がコミュニケーションを取れるツールで、グループでのチャットができたり、掲示板のようにスレッドに対してコメントを入れてやりとりができたりするなど、さまざまな機能があります。また、プライベートでも使用するSNSと同じ要領でメッセージを送信できるため、メールよりも気軽なやりとりが行える点も魅力でしょう。

個人的な連絡だけでなく、社内全体に「〇〇について詳しい人はいるか」「〇〇をサポートできる人がいたら手伝ってほしい」などの情報をスレッドとして発信することで、既存の蓄積された情報の中からは解決されなかったものの、ほかの従業員の知識やノウハウによって解決できる場合もあるでしょう。

ナレッジマネジメントツール

上記でご紹介した内容は、社内でも使われることが多い既存のシステムを活用して構築できますが、構築の仕方がわからない場合や、構築後にもうまく活用できるか不安といった場合は、ナレッジベースによるナレッジ管理・共有に特化したナレッジマネジメントツールを利用するのがおすすめです。

ただし、「ナレッジベースを企業で導入するデメリット」でもあげたように、ツールの操作性や検索性に優れていなければ、従業員がナレッジの登録や検索、閲覧などに手間がかかってしまい、ツールの導入が無駄になってしまう恐れがあります。ツールの導入時はさまざまなツールを比較しながら、自社にとって使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

当社では、問い合わせ業務への対応の負担を軽減する「Freshservice」を提供しています。Freshserviceは、メールやチャットなど複数チャネルからの従業員の問い合わせを一元管理し、蓄積された問い合わせ内容のデータをもとに、AIがFAQの自動提案を行います。

カスタマイズが不要ですぐに利用開始できるだけでなく、使いやすさにおいても世界中から高い評価を得ているサービスのため、ぜひ気になる方はご利用ください。

ナレッジベースの構築ツールを選ぶ際に確認すべきポイント

ここまで、ナレッジベースを構築する際に利用できるツールの例をご紹介しました。上記でご紹介したグループウェアなどのツールやナレッジマネジメントツールといったナレッジの管理専用ツールを用いることで、よりナレッジの管理や共有に便利なツールを社内で活用できるようになりますが、ツールによって搭載されている機能や強みが異なるため、自社の利用目的に適したツールを選ぶことが大切です。ここからは、ナレッジベースの構築ツールを選ぶ際に確認すべきポイントをご紹介します。

情報の検索がしやすいか

情報を素早く検索できなかった場合、従業員がナレッジベースを不便に感じ、活用してもらえない恐れがあります。蓄積された情報量が膨大な場合は、特に検索のしやすさが重要となるため、データごとにタグを設定できたり、カテゴリを細かく分類できたりするなど検索に役立つ機能が備わっているか確認しましょう。

ほかにも、例えば「経費申請の仕方」「経費申請ツールの使い方」などのマニュアルがあった際に、「経費申請」というキーワードで絞り込んでナレッジを検索できるようキーワード検索機能が備わっているツールもおすすめです。

目的に応じた機能が搭載されているか

ナレッジベースでは知識やノウハウなどの収集や蓄積、検索、共有などが行えますが、どの機能を特に活用したいかによって適したツールも異なります。例えば、検索性を重視するなら、上記でご紹介したようなカテゴリ分けやタグ機能が豊富なツールを選んだり、共有のしやすさを重視するなら、他者とのコミュニケーションが取りやすいチャットや掲示板機能が充実したツールを選んだりするとよいでしょう。

このように、ナレッジベースの構築ツールを選ぶ際は、どの機能を最も重視するか、どのような用途で使いたいかを明確にしたうえで、目的に応じた機能が搭載されているツールを選ぶことが大切です。

従業員が難なく操作できるか

目的に応じた機能が搭載されているツールでも、ナレッジの登録手順が難しかったり、限られたデバイスからのみ操作ができたりといった不便さが目立つ場合は、せっかく導入しても従業員に活用してもらえない可能性が高いため、注意が必要です。簡単な操作でナレッジを登録できたり、スマートフォンなどから手軽にアップロードできたりすることで、従業員の利用頻度も高まります。

また、企業によっては、「ツールをさらにカスタマイズして自社の特性に合わせたツールにしたい」といったケースや、「ツールの扱いに慣れていない従業員が多いため、必要最低限の機能でシンプルに利用できるものを使いたい」といったケースもあるでしょう。このような従業員のITリテラシーに合わせてツールを検討することも大切です。

ほかのツールと連携しやすいか

社内ですでに利用しているチャットツールやメールシステム、Web会議ツールなどがある場合は、それらのツールとナレッジベースの構築に利用するツールの連携ができるか・連携しやすいかを確認しておきましょう。ほかのツールと連携ができることで、例えばWeb会議ツールでの会議の録画動画を自動でナレッジベース上に登録できたり、チャットツール上でナレッジベースの更新状況を通知で教えてもらえたりするなど、業務を進める流れでナレッジの蓄積が可能になります。

ツールを検討する際は、このように現在社内で使用しているほかのツールと連携できるかを確認し、連携することでどのようなメリットがあるのか、業務の進行がどのように変化しそうかなども加味したうえで決めることが大切です。

まとめ

この記事では、ナレッジベースの活用例や導入するメリット・デメリット、構築におすすめのツールなどをご紹介しました。

ナレッジベースを導入することで、社内に蓄積された知識やノウハウを1カ所に集約でき、従業員が保管場所を探す手間なく必要な情報を取り出せるようになるため、社内全体での業務効率化や業務品質の向上が期待できます。

しかし、ナレッジベースの構築に利用したツールによっては、ツール上での情報の検索がしづらかったり、ナレッジの登録などの作業工程が複雑だったりする場合、不便さから社内で活用してもらえない可能性があるため、ナレッジベースの構築ツールを選ぶ際は、従業員の使いやすいものや、ITリテラシーに合ったものを選ぶよう意識しましょう。

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