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PC運用管理とは?情シスの業務負担を減らすための方法を紹介

PC運用管理では、PCにおける「計画」「調達」「導入」「運用」「廃棄」といった一連の管理業務を徹底して行うことで、従業員が安全かつ円滑に業務を進められるようになります。

しかし、一度に大量のPCを調達し、キッティングをしなければならない場合や、PCに関する問い合わせやトラブルが相次ぎ対応が遅れてしまう場合、安定した運用管理が行えないケースもあるため、専用のツールを用いたり、アウトソーシングしたりして、主にPC運用管理を行う情報システム部門の負担を軽減させる工夫が大切です。

この記事では、PC運用管理における基本項目や、適切な管理方法を行わずに管理し続けるリスク、管理の負担を軽減する方法などをご紹介します。

目次

PC運用管理とは

PC運用管理とは、企業で使用しているPCの台数や状態、使用状況などを適切に管理することを指します。PCを長期的に利用する際は、「計[1] 画」「調達」「導入」「運用」「廃棄」といった一連の流れを繰り返すため、このようなライフサイクルを管理することを踏まえ、PC運用管理を「PCLCM(Personal Computer Life Cycle Management)」と呼ぶ場合もあります。

PC運用管理では、常にPCの状態や使用状況を把握しておくことで、PCの修理・買い替えを適切なタイミングで行えたり、不要なPCの新規購入を防いだりできるため、故障などによって社内でPCが使えないことによる業務停止リスクの回避や、無駄なコストの削減が期待できるでしょう。

また、社内で利用している各PCの情報を適切に管理できていることによって、PCの不具合対応などが必要になった際も、「どのようなスペックのPCであるか」「どのようなソフトウェアやアプリが入っているか」といった情報をすぐに把握できるため、原因究明から解決までを迅速に進められ、業務効率化につながります。

PC運用管理における3項目

PC運用管理では、上記で触れたように社内のPCのスペックといった基本情報をはじめ、使用状況、PCに搭載されているパーツの種類、インストールしているソフトウェアのライセンス情報などさまざまな情報を管理する必要があります。

このようなPCの運用管理項目は、主に「IT資産管理」「ライセンス管理」「インベントリ管理」の3種類に分けられます。それぞれの項目について具体的には、次のとおりです。

IT資産管理

IT資産管理は、企業で使用しているPCをはじめ、スマートフォン、タブレット、周辺機器などのハードウェアや、ソフトウェアを管理することを指します。

これらのハードウェアやソフトウェアの使用状況や使用者の情報、ネットワークへの接続状況、ソフトウェアのバージョンなどを一覧にまとめて管理することで、どの機器やソフトウェアを誰が使用しているのか、誰も使用していない機器はあるかを把握しやすくなり、デバイスの不正な持ち出しによるセキュリティリスクの低減や、余分な機器の購入防止などの効果が期待できます。

また、IT資産管理では、PCなどの機器をいつ購入したかも記録します。例えば、一般的にPCの耐用年数は5年ほどといわれているため、寿命の近いPCの買い替えタイミングを適切に把握でき、寿命による故障や不具合のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

ライセンス管理

ライセンス管理では、IT資産管理で管理するソフトウェアのライセンス情報を管理します。例えば、1つのライセンスにつき1人のみが使用可能なソフトウェアを2人の従業員で使用していた場合、ライセンスの規約違反となり、違約金を請求される可能性があり、企業としての信用も低下するでしょう。

また、ライセンスの使用状況を適切に把握できていると、使用していないライセンスの解約や新たに使用するライセンスの割り振りなどに役立ち、余分にライセンス契約を行ってしまうことによるコストの浪費を防げます。

ライセンス管理ではこのようなリスクを防ぎ、企業のコンプライアンス遵守や無駄なコストの削減に大きく役立つため、IT資産管理だけでなくライセンスの管理も徹底して行うことが大切です。

インベントリ管理

インベントリ管理では、上記で管理しているハードウェアやソフトウェアといったIT資産に関する情報を管理し、主に以下のような情報が含まれます。

  • CPUやメモリ、ストレージなどハードウェアに含まれる各パーツの情報
  • IPアドレス
  • ファームウェア
  • OSの情報
  • OSのアップデート状況
  • 各種ソフトウェアの使用状況
  • インストール・アンインストールしたソフトウェアの情報
  • 社内で使用するファイルの操作履歴
  • 外部ネットワークとの接続状況

など

ハードウェアやソフトウェア本体を管理するIT資産管理やライセンス管理だけでなく、このようなインベントリ管理を徹底して行うことで、社内で許可されていないソフトウェアの無断インストールやアップデートのし忘れによる脆弱性を狙ったサイバー攻撃を防ぎやすくなり、セキュリティの強化が期待できます。

PC運用管理は社内のセキュリティ対策やリモートワーク導入時にも重要

ここまで、PC運用管理の概要や主な管理項目についてご紹介しました。上記では、PC運用管理を行うと社内でのコスト削減や企業のコンプライアンス遵守といった効果があることを述べましたが、企業のセキュリティを維持し、従業員が安全に業務を進めるうえでも、PC運用管理は重要です。特に、企業を狙ったサイバー攻撃は年々多様化しており、被害を最小限に抑えるには攻撃を早期に発見し、迅速に対処する必要があります。

なお、最近ではリモートワークを導入し、自宅など社外での業務を認めている企業も少なくありません。すべての従業員が出社する場合は、万が一PCに不具合が生じたり、サイバー攻撃を受けたりしたときもすぐに対処できます。しかしリモートワークの場合は、デバイスに不具合が生じた際も現物をすぐに見られないため、使用しているPCのスペックや自宅のネットワーク環境などを詳しくヒアリングしなければ原因究明ができません。

このようなリモートワーク下でもスムーズにトラブルへの対処ができるよう、各ハードウェアやソフトウェアなどの情報を細かく管理するPC運用管理が重要です。

PC運用管理における情シスの課題

PC運用管理は、基本的には情シスで行われますが、「PC運用管理とは」でも述べたように、PCを長期的に運用する際は、「計画」「調達」「導入」「運用」「廃棄」といったライフサイクルを繰り返す必要があるため、業務負担が大きくなることがあります。PC運用管理における情シスの課題は、次のとおりです。

大量にPCを調達する際に業務負担がかかる

新卒や中途の社員が一斉に入社する時期や、一気に社内のPCを買い替える場合などの状況下において、大量にPCを調達することがあります。調達するすべてのPCが同じ機種・スペックであれば調達作業にそれほど手間はかからないものの、調達するPCの台数が多いほど負担も増えるでしょう。

なお、従業員の職種ごとに機種を分けたり、業務内容に応じてスペックを調整したりする必要がある場合、「〇〇の作業を行うにはこれくらいのスペックが必要」といったPCに関する専門的な知識も必要となるため、業務ごとに適切なPCスペックを調べる作業も発生します。

キッティングに手間がかかる

キッティングとは、PCなどのデバイスを従業員がすぐに使用開始できるように、あらかじめPCの基本的な設定や業務に使用するソフトウェア・アプリのインストール、セキュリティ対策、周辺機器やネットワークの接続などの初期設定を済ませておくことを指します。

あらかじめ情シスがキッティングを行っておくことで、従業員はPCを受け取ってからすぐに業務を始められるため業務効率化につながるものの、対応するPCの台数が多くすべて手作業で行う場合、キッティングに手間がかかる可能性があります。

なお、キッティングでは1台のPCで基本のデータとなるマスターイメージを作成し、ほかのPCに反映(クローニング)させる方法もあり、効率よくキッティングを進められますが、作業を進めるにあたって専門的な知識を要したり、PCの機種ごとにマスターイメージを作成しなければならなかったりするため、注意が必要です。

問い合わせ対応でリソースが圧迫される

PC運用管理では、従業員からのPCに関するトラブル対応も行いますが、不具合の対処以外にも、「PCの設定方法がわからない」「ソフトウェアの使い方を教えてほしい」「社内で利用しているツールへログインするためのIDやパスワードを忘れてしまった」といったPCの使い方やID・パスワードに関する問い合わせも多く届くことがあります。

このような問い合わせへの対応や、システム障害などのトラブルに対応していることで、ほかの業務に取り組む時間を確保できず、リソースが圧迫されてしまうケースもあるでしょう。

多岐にわたるソフトウェアの管理が必要になる

従業員が業務で使用するソフトウェアは多岐にわたり、それぞれのソフトウェアの使用状況や使用者、ライセンスの期限、アップデート状況などを管理しなければなりません。また、ライセンスの規約に沿った利用ができており、ライセンス違反を起こしていないかといった確認もしなければならないため、定期的な棚卸し作業も必要です。

特に従業員数が多く、従業員の業務内容が多岐にわたる場合は、さまざまな種類のソフトウェアを大量に管理する必要があるため、手間がかかる恐れがあります。

リプレースに手間がかかる

PCには耐用年数があり、長期間使い続けることによって各パーツが劣化し、処理速度が低下したり、故障につながったりする恐れがあることから、生産性を維持するために数年ごとにリプレース(買い替え)する必要があります。

このとき、新しいPCの調達とあわせて古いPCの廃棄作業を行いますが、ただPCを廃棄するのではなく、古いPCに保存されているデータの情報漏えいを防ぐために、記憶装置を物理的に壊したり、ソフトウェアを使って消去したりするといった適切な処理を必ず行わなければなりません。リプレース時にはこのようなデータ消去作業も行うため、対応する台数が多いほど情シスへの負担も増えてしまうでしょう。

PC運用管理を適切に行わないとどうなる?

ここまで、PC運用管理における情シスの課題をご紹介しました。上記のように、PC運用管理ではPCの一連のライフサイクルを管理する中でさまざまな課題があり、管理がおろそかになってしまうケースも生じます。

しかし、管理をおろそかにしてしまうことによって、社内のセキュリティが低下したり、ライセンス違反から企業の信用度が下がってしまったりする恐れがあるため、注意が必要です。ここからは、PC運用管理を適切に行わなかった際に生じるリスクをご紹介します。

サイバー攻撃に狙われやすくなる

PC運用管理が適切に行われておらず、PCのOSやソフトウェア、アプリなどのアップデートや修正プログラムの対応が遅れてしまった場合、PCのセキュリティが低下します。

このようにアップデートや修正プログラムの適用がされずセキュリティが強化できていない場合、脆弱性を狙ったウイルス感染や不正アクセスといったサイバー攻撃に狙われやすくなり、情報漏えいが生じたり、PCを操作できなくさせられたりする恐れがあります。

機密情報の漏えいにより多額の損害賠償が発生する可能性もあるため、サイバー攻撃のリスクを最小限に抑え、社内で安全にPCを利用できるよう常にアップデート状況を管理することが大切です。

業務に遅れが生じる可能性がある

従業員のPCに不具合が生じた際の原因究明に時間がかかったり、上記のようなサイバー攻撃を受けたりした場合、業務を停止しなければならず、進捗に遅れが生じる可能性があります。

業務停止により生産性が下がってしまうことで、企業の売り上げに影響が出る恐れもあることから、できるだけ早く原因究明や解決に向かって対処しなければなりませんが、不具合の内容によってはPCのスペックや利用状況、ソフトウェアの情報、ネットワークへの接続状況などの情報が必要になり、これらを都度ヒアリングしていると、解決までにより多くの時間を要してしまうでしょう。

PC運用管理を適切に行い、社内のPCに関する情報をまとめておくことで、不具合が生じた際もすぐに該当のPCの情報を取り出せるため、スムーズに不具合を解消し、業務の進捗への影響も最小限に抑えられます。

ライセンス違反により信用度が低下する

1つのライセンスにつき利用可能な人数が守れていないなどのライセンス違反が生じることで、違約金が発生する可能性があります。メーカーが提示するライセンスの使用許諾契約書によっては、ライセンス違反が疑われる場合、監査権を使い利用状況を調査することもあり、要求を受けた際に拒否はできません。

このようなライセンス違反が発覚した場合、違約金を支払わなければならないだけでなく、メーカーからも「規約を守れない企業だ」と信頼してもらえなくなり、契約を解除されてしまう恐れもあります。また、違反の規模によっては報道され、ほかの企業などにも知れ渡ることがあるため、社会全体からの信用を失うリスクもある点に注意が必要です。

不要なコストが発生する

社内で現在利用しているPCやライセンスなどを正確に把握できていない場合、使用していないPCがあるにもかかわらず新たにPCを購入してしまったり、余分なライセンスを契約し続け、無駄に使用料を支払い続けてしまったりする可能性があります。

このように無駄なコストをかけ続けることで、企業の利益にも影響が出る恐れがあるため、定期的に各PCやライセンスの使用状況を確認し、不要なライセンスがあった場合は契約を解除しましょう。また、従業員のPCが故障し、すぐに替わりのPCが必要になった際も、新たなPCを調達するのではなく、まずは代替機があるか確認することが大切です。

PC運用管理の負担を軽減する方法

ここまで、PC運用管理をおろそかにすることで生じるリスクをご紹介しました。このようなリスクを防ぐためには、管理台帳を作成し、日々内容を確認・更新する必要がありますが、管理するPCの台数が多かったり、ほかの業務でリソースを十分に確保できなかったりする場合は、次のような方法がおすすめです。

PC運用管理の専用ツールを導入する

PCやライセンスなどの管理台帳は、Microsoft Excelなどの表計算ソフトで手入力する方法が一般的ですが、入力漏れや入力ミスなどのヒューマンエラーのリスクがあるだけでなく、管理する台数が多い場合は入力に手間がかかります。

このとき、管理項目を表計算ソフトではなく専用ツールを用いることで、ツール内の機能を活用して社内の各PCの情報を自動で収集したり、従業員のPC操作履歴を簡単に可視化できたりするため、手入力による更新の手間が省けます。

ツールによって保有している機能や管理画面の見やすさ、対応OSなどが異なるため、複数のツールを比較し、自社の規模に合ったものや使いやすいものを選びましょう。

自社に合ったツールが見つかり、定期的にツールを確認しながらPCやライセンスの状況を確認できる場合は、比較的コストを抑えられる専用ツールの利用がおすすめです。

なお、当社では、情シスの負担を軽減するサービスデスクツールとして「Freshservice」を提供しています。Freshserviceでは、問い合わせフォームやメール、電話、SNSなどさまざまなチャネルからの問い合わせを一元管理でき、対応の抜け漏れを最小限に抑えられる点が強みです。PC運用管理に関する問い合わせが多いものの、解決策に迷っているといった方は、ぜひ当社へご相談ください。

PC運用管理をアウトソーシングする

PC運用管理業務が情シスの業務リソースを圧迫している場合は、外部企業にアウトソーシングするのもおすすめです。アウトソーシングすることによって、PCの「計画」「調達」「導入」「運用」「廃棄」といった一連のライフサイクルをすべて委託できるため、情シスの業務負担を大幅に軽減できるでしょう。

ただし、社内のPCには機密情報も多く含まれているため、悪用や情報漏えいが生じないよう委託先の企業のセキュリティポリシーや、セキュリティに関する国際規格などを取得しているかを確認しておくことをおすすめします。また、業務を委託する前に、あらかじめ秘密保持契約を結んでおくと安心でしょう。

PC運用管理の専用ツールやアウトソーシングを利用することで得られるメリットは、次でそれぞれ詳しくご紹介します。

PC運用管理の専用ツールを活用するメリット

ここまで、PC運用管理の負担を軽減する方法ついてご紹介しました。専用ツールを用いることで、IT資産管理やインベントリ管理、ライセンス管理を適切に行えるようになるだけでなく、ツール上でPCの状態を可視化しやすくなることから、アップデートのし忘れなどによるセキュリティリスクを抑えられます。

IT資産管理・インベントリ管理を正確に行える

PC運用管理において必要となるIT資産管理も、専用ツールを利用することで各PCの情報や使用状況、使用者、設置場所、スペック、OSの情報などを正確に把握できます。使用していないPCの見落としなども減らせることから、適正な数のPCを常に運用できるようになるでしょう。

また、専用ツールを用いた正確なIT資産管理・インベントリ管理では、PCの導入にかかる初期費用やランニングコスト、廃棄にかかるコストなどの予算を計画しやすくなります。

適切にライセンス管理ができる

PC運用管理を専用ツールを用いて行うことで、ライセンス管理も適切に行えます。「PC運用管理を適切に行わないとどうなる?」でも述べたように、ライセンス管理を適切に行わなければ、ライセンスの規約に違反し、違約金を請求されたり、社会的に信用度が下がってしまったりする恐れがあるため、専用ツールを用いて適切に管理することで、安全にライセンスを管理できるでしょう。

なお、専用ツールを用いると、ライセンスの更新時期なども把握しやすくなります。使用しているソフトウェアが多岐にわたり、管理するライセンスの数が多い場合も、専用ツールを用いれば適切に管理できる点が強みといえます。

セキュリティを強化できる

PCを安全に運用するためには、PCや各種ソフトウェアに、メーカーから提供される更新プログラムや修正プログラムを都度適用させ、セキュリティを強化する必要があります。

しかし、管理するPCやソフトウェアの数が多かったり、更新作業を従業員に一任していたりする場合、これらの更新・修正プログラムが適用されないまま運用し続けているケースもあります。このような状態では、PCの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を受けやすくなってしまうため、常に各PCのアップデート状況を把握しておくことが大切です。

PC運用管理に専用ツールを用いることで、各PCのアップデート状況や、修正プログラムの適用状況などを可視化しやすくなるため、常に最新の状態を保ちながらPCを使用できるでしょう。

内部不正を防げる

PC運用管理の専用ツールによって、PC使用者のファイルの操作ログや使用履歴を記録できるようになるため、機密情報の不正利用や、ソフトウェアの不正コピーといった従業員による内部不正を防げるようになります。

このように、専用ツールを用いてPCを徹底管理することで、社内で利用するPCは企業の管理下であることを社内全体に広められるため、従業員のセキュリティ意識を高められるでしょう。

問い合わせやトラブル対応への負担が減る

情シスがPC運用管理を行う場合、従業員からのPCに関する問い合わせやトラブル対応に追われ、そのほかの業務に取り組めないケースがあります。また、これらの問い合わせやトラブル対応に時間がかかってしまうと、従業員が円滑に業務を進められなくなり、業務効率や生産性が低下するでしょう。

Freshserviceでは、問い合わせデータを活用したFAQ、チャットボット※、カスタマーポータルといったナレッジベースにも利用できる機能などを豊富に備えているため、情シスの問い合わせ・トラブル対応への負担を減らします。

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情シスがほかのコア業務にも取り組みやすくなる

人手が足りないなどの背景から情シスの業務リソースの確保が難しく、PC運用管理に時間を取られてほかのコア業務に取り組めないケースも考えられます。

例えば、情シスではPCの運用管理以外に、以下のような業務を行っています。

  • 社内で使用するシステムの開発・管理
  • ヘルプデスク
  • 社内のセキュリティ対策

など

どの業務もリソースを圧迫しやすく、限られた時間内でできるだけ効率よく業務を進める必要があるため、コア業務の一つであるPC運用管理を専用ツールで効率化させることによって、情シスがそのほかのコア業務にも取り組みやすくなるでしょう。

PC運用管理をアウトソーシングするメリット

ここまで、専用ツールを活用するメリットをご紹介しました。アウトソーシングではPC運用管理の専門業者が業務に取り組むため、企業に合った運用設計を細かく考えてもらえたり、オフバランス処理ができたりするといったメリットが得られます。PC運用管理をアウトソーシングする具体的なメリットについては、次のとおりです。

企業に合った運用設計を細かく考えてもらえる

PC運用管理をアウトソーシングすることで、PCの導入時に、PC運用における運用ポリシーやセキュリティポリシーなどの各種ポリシーを策定してもらえたり、企業に合った運用手順を細かく設計してもらえたりします。

このような各種ポリシーや運用設計は今後も活用できるため、いずれ自社のみでPC運用管理を行うことを視野に入れている企業にとっても役立つでしょう。

キッティング作業を素早く行える

「PC運用管理における情シスの課題」でもご紹介したように、PCの導入時には、従業員がすぐに業務に取りかかれるようあらかじめキッティングを済ませておく必要があります。しかし、キッティングに関する知識がなかったり、手作業ですべてのPCに対応したりしていると、多くの時間を要してしまうでしょう。

PC運用管理をアウトソーシングをすることで、キッティング作業も代行してもらえるため、対応台数が多い場合や、機種が多岐にわたる場合でも、専門のスタッフによって素早くキッティングを済ませられるでしょう。

オフバランス処理ができる

アウトソーシングによるPCの「調達」「運用」「廃棄」などの代行業務は、すべて経費扱いでき、オフバランス処理が可能です。

オフバランスとは、企業の決算で用いる貸借対照表(バランスシート)に資産や負債などを計上しない財務手法で、レンタルやリース、クラウド契約などを活用してオフバランス化することで、資産規模を縮小できるため、資金調達コストの抑制や収益性の向上が期待できます。また、収益性が増加することによって、企業としての価値も高まるため、より資金調達も有利に進められるようになるといったメリットがあります。

ここまでご紹介したように、PC運用管理のアウトソーシングでは、PCの運用設計や調達、導入時のキッティングなどをすべて任せられるため、情シスのリソースに関係なく安定してPCのライフサイクルを回せるようになります。

まとめ

この記事では、PC運用管理における基本項目や、適切な管理方法を行わずに管理し続けるリスク、管理の負担を軽減する方法などをご紹介しました。

PC運用管理は、PCをはじめとしたハードウェアやソフトウェアを管理するIT資産管理、ソフトウェアのライセンスを管理するライセンス管理、PC内の情報を管理するインベントリ管理の3項目に分かれますが、どの管理も徹底して行う必要があり、管理を怠ることで企業の生産性や社会的な信用度にも影響する可能性があります。

このような管理業務を効率化させるためには、専用のツールを用いたり、アウトソーシングしたりする方法があげられます。

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