Microsoft Excelでは、「3×3」「15×15」のような二乗の計算を関数などを用いて瞬時に計算できます。このように、関数などを活用して累乗の計算をすることで、「245×245」など数の多い計算が必要な場面でも効率よく作業を進められるでしょう。
この記事では、Excelで二乗を計算する方法や、セル上で二乗を表示させる方法をご紹介します。
なお、本記事では、「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO (バージョン 2501 ビルド 16.0.18429.20044) 64 ビット)」を用いて手順をご紹介しています。使用しているExcelのバージョンによっては画面の仕様や手順が異なる場合があるため、ご注意ください。
目次
Excelで二乗を計算する方法
Excelで効率よく二乗を計算する方法は、POWER関数を用いる方法と、「^(キャレット)」を用いる方法の2種類があります。
種類 | 数式の書き方 | 特徴 |
POWER関数 | =POWER(数値,累乗の指数) | ほかの関数と同じ要領で入力可能「^」に比べて入力に若干時間がかかる可能性がある |
^(キャレット) | =数値^累乗の指数 | 関数を入力する手間がなく簡単に入力可能「^」キーの位置を覚える必要がある |
どちらの方法も単純な数式で簡単に入力できるため、ぜひ覚えておくとよいでしょう。
累乗の指数とは?「*」では計算できない?
「二乗」「三乗」などで使われる累乗の指数は、そもそもどのような意味を持つのでしょうか。
累乗の指数とは、「2の二乗は、2×2=4」、「5の三乗は、5×5×5=125」のように、同じ数字を掛け合わせる「累乗」を繰り返す回数を指します。
Excelで掛け算を行う際は、「*(アスタリスク)」を使用しますが、累乗の計算を行う際に「*」を使用するのはあまりおすすめできません。例えば、「3の二乗」のように指数が少ない場合は、「=3*3」のようにすぐに数式を入力できるものの、「4の十乗」のように指数が増えていくと、「=4*4*4*4…」のように数式も長くなってしまい、入力に手間がかかるだけでなく、数式が見づらくなるでしょう。
そのため、Excelで効率よく二乗を計算する際は、上記でご紹介したPOWER関数や「^」を用いる方法がおすすめです。それぞれの手順については、以下をご覧ください。
POWER関数で計算する方法

まずは、POWER関数で二乗を計算する方法をご紹介します。足し算に用いるSUM関数や引き算に用いるMINUS関数のように、そのほかの関数と同じ要領で入力できるため、普段から計算に関数を用いている方にとって利用しやすい方法といえるでしょう。
POWER関数で計算する手順は、以下のとおりです。
- セルに「=POWER(数値,累乗の指数)」を入力する
例えば、5の二乗を計算したい場合は、「=POWER(5,2)」と入力します。

- 「Enter」キーを押し、計算結果を確認する×5」の答えである「25」が表示されています。

なお、Excelでは、POWER関数をはじめとした関数を入力する際は、途中まで関数の名前を入力することで候補が表示されます。ここからPOWER関数を選ぶことで、素早く関数を入力できるでしょう。

「^2」で計算する方法
次に、「^2」のように「^」を用いて二乗を計算する方法をご紹介します。「^」キーを使用する機会は少ないため、キーの位置を覚える必要はあるものの、上記でご紹介したPOWER関数よりも素早く数式を入力できます。
「^2」で計算する手順は、以下のとおりです。
- セルに「=数値^累乗の指数」を入力する

「^」は、以下の図のように、ひらがなの「へ」の位置に配置されています。入力方式が半角英数字になっていることを確認したうえで、「へ」のキーを押すと、「^」を入力できるでしょう。

上記の図ではWindows用日本語(JIS)キーボードの一般的な配列を表していますが、Mac用日本語(JIS)キーボードでも同様に、ひらがなの「へ」の位置に「^」が配置されています。
なお、「=数値^累乗の指数」を入力する際は、それぞれの数値ではなくセル番地を入力しても問題ありません。

- 「Enter」キーを押し、計算結果を確認する
「5×5」の答えである「25」が表示されています。

5の三乗のときは「5^3」、5の2分の1乗のときは「5^(1/2)」のように、二乗以外の計算も「^」で簡単に行えるため、ぜひさまざまな累乗の計算でご活用ください。
セル上で二乗であることを示す方法
ここまで、POWER関数や「^」を用いた二乗の計算方法をご紹介しました。
Excelでは、二乗を計算する以外に、「5²」のようにセル上で二乗の表記をすることが可能です。このように指数が小さく表示されていることで、二乗であることをわかりやすく示せるでしょう。
ここからは、Excelのセル上で二乗の表記を行う方法をご紹介します。ただし、以下でご紹介する内容は一般的な業務などではあまり用いない方法のため、Excel上で二乗を示す際は、基本的には「^」を用いて「3^2」のように表記し、資料作成などで正確に表記する必要がある場合に使うことをおすすめします。
「5²」のように、セル上で二乗であることを示す手順は、以下のとおりです。
- セルに「’(シングルクォーテーション)」「数値」「累乗の指数」を並べて入力する

例えば、5の二乗を表示したい場合は、「’52」と入力します。
なお、「’」は、「Shift」キーを押しながら「7」キーを押すことで入力できます。

- 「Enter」キーを押して入力内容を確定する

セルの左上に三角形のマーク(エラー)がついていますが、このまま進めて問題ありません。
- 「F2」キーを押し、二乗の「2」のみを選択する

「F2」キーを押すことで、セルを編集できるようになります。「Shift」キーを押しながら「←」キーを押すことで、指数である「2」のみを選択可能です。
なお、「F2」キーのみを押して反応しない場合は、「Fn」キーを押しながら「F2」キーを押してください。
- 「Ctrl」キー+「1」キーを押し、セルの書式設定を開く

- 「文字飾り」の「上付き」にチェックを入れる

マウスでチェックは入れられますが、キーボードのみで操作する場合は、「Alt」キー+「E」キーで「上付き」にチェックが入ります。
- 「OK」をクリックして変更内容を適用させ、「Enter」キーを押して入力内容を確定する

「5²」と二乗の表示がされるようになりました。しかし、エラーがついたままの状態であるため、気になる場合はエラーを取り除きましょう。
- セルを選択し、エラーマーク(⚠)をクリックする
- 「エラーを無視する」をクリックする

- エラーが消えたか確認する

Excelで二乗の計算に失敗する・うまく表示されないときの解決策

ここまで、Excelで二乗を計算する方法や、セル上で二乗を表示する方法をご紹介しました。上記の手順を試しても、うまく計算できなかったり、エラーになってしまったりする場合は、以下のような原因が考えられます。
- 書式が「文字列」になっている
- 数式や関数の前に「=」を入れていない
- 計算方法の設定が「手動」になっている
それぞれの解決策は、以下のとおりです。
書式を「標準」に戻す

上記のように、書式が「文字列」になっていると、入力した数式が計算されず、そのまま表示されてしまいます。
このような場合は、「文字列」をクリックして「標準」に設定したうえで、再度数式を入力することで計算されるようになるでしょう。

数式や関数に「=」を含む

Excelで計算を行う際は、初めに「=」を入れる必要があり、「=」を入れ忘れてしまうと、数式や関数が文字列と認識され、そのまま計算式が表示されてしまいます。
「計算をするときは必ず『=』を入れる」と意識することでこのようなミスは防げるようになるため、計算時に「=」を入れてから数式や関数を入力する癖をつけましょう。
計算方法の設定を「自動」にする
例えば、以下のようにC4セル(5)とD4セル(2)を計算する数式を作成しており、C4セルの内容を変更した際に、計算結果が連動して反映されないことがあります。

このようなケースでは、「数式」タブ内の「計算方法の設定」が「手動」になっている可能性があります。

「手動」の設定になっている場合は、以下のように計算結果がエラーとなるため、エラーマークをクリックして内容を確認しましょう。

エラー内容の一覧から、「今すぐ計算」をクリックすることで、変更内容を反映させた計算結果が表示されます。また、「自動計算に切り替える」をクリックすることで、計算方法の設定を「自動」に切り替えられるため、常に変更内容に応じて計算結果を更新させたい場合は、こちらをクリックするとよいでしょう。

まとめ
この記事では、Excelで二乗を計算する方法や、セル上で二乗を表示させる方法をご紹介しました。
Excelでの二乗の計算は、掛け算で用いる「*」を使用すると数式が長くなる可能性があるため、POWER関数や「^」を用いた方法で行うのがおすすめです。
万が一数式や関数の計算結果がうまく反映されない場合は、「=」が入力されていなかったり、書式が「標準」になっていなかったりする可能性があるため、記事内でご紹介した解決策をぜひお試しください。
なお、Excelは顧客からの問い合わせを管理するツールとしても活用でき、本記事でご紹介したような関数なども利用することで、データ分析なども行えます。
しかし、問い合わせ件数が多い場合や、セキュリティ対策を徹底したうえで管理したい場合は、Excelではなく専用の問い合わせ管理ツールの利用もご検討ください。
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